打ち切り終了から約1か月。『ラブラッシュ!』について考える。
いつのまにか師走。
11月に引っ越しをし、「今年は大掃除をしなくてもいいや!」と喜んでいる萩ぼた餅です。
前回の更新から3ヶ月。その間に、
前回記事に書いた『ラブラッシュ!』の連載が終わってしまいました。
引っ越しの掃除で前のジャンプをばっさりと捨ててしまったので、画像で紹介することができませんが、この作品について感じた事をまとめました。
■物語の転機
連載の打ち切りがいつの段階で決まるのかは知らないのですが、読者の1人として『ラブラッシュ!』の見方が変わったのは、水着回でもある第10話です。
主人公に恋するキューピット、ココロちゃんが、振り向いてくれないレイジに対して
『シズクちゃんがいなかったら 私のこと好きになってた!?』
と大声で言ったコマ。これが、ココロとシズクの勝敗を決めた1コマだと思っています。
「レイジくんが好き。だから頑張る!」という健気な恋心ではなく、
「シズクちゃんさえいなければ、もしくは」という嫉妬。
キューピット―天使という立場でありながら、どろどろとした思いを抑えられず、それをレイジにぶちまてしまう…という、ある意味ヒステリックともとれるこの言動で、
(あぁ、天使ココロ”の勝利は無くなったな)…と感じました。
■神聖さのある”無償の愛”から、”我欲”への転落
「シズクちゃんより素敵になれば」なら、まだ、努力・切磋琢磨があって美しい話になりますが、シズクの存在を否定しての愛の獲得は、”天使(キューピット)”としてのココロにとっての愛の獲得ではなくなってしまいます。
ココロというキャラクターに求められるのは、天使としての純粋さ、必死に頑張る健気さ、愛を信じる心、レイジくんを守りたいという無償の愛からのアタックなのであって、嫉妬心や、他人を蹴落としてでも相手を手に入れたいという欲望(と、それからくる行動)ではありません。
個人的には、その気持ちに侵食(物理)され、私利私欲で人の恋心を支配しようとするダーク・ココロちゃんを見たかったですけどね(笑)
その後紆余曲折を3話に詰め込み、『ラブラッシュ!』は13話で打ち切りという終わりを迎えます。
その最後はとてもきれいな終わり方だったと思います。
人間界を離れることになったココロは最後に、キューピットとしての使命を果たし、レイジとシズクの恋を実らせます。
今までたくさんの恋愛を成就させてきたココロにとって、それは初めて、
痛みを伴うものだったのではないでしょうか。
大切な人たちのために、自分の大切な想いが叶わなくてもいいと決断する。
それは、今までのキューピットの仕事にはなかった、「自己犠牲」という愛のカタチです。それを経験したココロは、もっともっと成長できると信じています。
■最後に
打ち切りで幕を閉じた『ラブラッシュ!』ですが、個人的にはとても楽しむことができました。
「女の子かわいい!」と飛びつき、ココロの嫉妬心に、もやもやとしたものを感じたりもしましたが、たくさんの「好き」や「愛」に溢れたお話は、まさに『ラブラッシュ』だなぁと、思うのでした。