規制だらけの「クレヨンしんちゃん」で今後も規制されないだろうキャラクターとその理由の考察をしてみた
アニメ開始から20年を超え、今やすっかり子ども向けアニメとして親しまれている「クレヨンしんちゃん」についてのある話題に、衝撃を受けました。
なんと、昔めちゃくちゃ笑ったあの表現この表現が、今ではすっかり規制されているというのです。
■規制になったものの一部 ( )内は苦情内容■
・ぞうさん(教育上よくない。子どもが真似する)
・ケツだけ星人( 〃 )
・ケツだけ潜水艦(子どもが真似して溺死したらどうするんだ)
・げんこつ、グリグリ(虐待だ)
・しんのすけが母親を「みさえ」と呼ぶ(教育上よくない)
――と、まあ、「教育上よろしくない」を中心としたたくさんの苦情により
今では上記の表現が規制されているというのです。
これに関しては
「子どもが間違ったことをしたらそのときしつけるのが大人なんじゃないかなぁ」とか、
「子どもが親を“○○ちゃん”って呼ぶのは“友達親子”って言ってるけどあれはいいんかぁ。」
とか、いろいろ感じます。
「子ども向けアニメ」の宿命なのでしょうかね。
最近見た「二宮金次郎は歩きスマホにつながるから教育上よくない!」という苦情が通ってしまった…というびっくりニュースと似たような「なんだかなぁ」感。
でもまぁ、今回はそれは置いといて。
色々な苦情で規制表現が増えているしんちゃんが、今後どのような規制を受けるのか…。
それを考えたとき、ふと、あることに気が付きました。それは
これ、父「ひろし」に関することは規制されないんじゃなかろうか
ということ。そしてその理由が
今規制されている“教育上よろしくない”内容というのは、母親と強く関係があると思うから
なんです。
幼稚園くらいの年齢だと、子どもとの時間を多くすごすのはお母さん。
家事も子育ても、ご近所さんとの関係もこなさなければいけないお母さんは大変です。
みさえの様に家事を頑張る専業主婦だとその時間はもっと長く、必然的に、子どもをしかったり、子どもがかけた迷惑を周囲に謝るのはお母さんになってしまいます。
だから、しんちゃんのようにあんなことこんなことを子どもがすると
・ケツだけ星人やぞうさんをしたら叱るのはお母さんが多いし
・それで周りの人に謝るのはお母さんだし
・子どもから呼び捨てされるのを周りに聞かれるのはお母さんだし
・子どもが幼稚園でケツだけ星人をして嫌がられちゃうかもしれないし
・もしかしたらそれで周りのママ友さんに後ろ指さされるかもしれないのもお母さん
ってなることがどうしても多くなっちゃうんです。
つまり何が言いたいのか。
苦情の、「子どもの教育上」はもちろん本当の声だと思います。
その一方で、一部の方々の「お母さんの苦労や恥ずかしさを回避したい」という気持ちが込められてるんじゃないかと思うわけなのです。
これを前提にしたとき、お父さんであるひろしについての表現は、規制対象外になりやすいんじゃないか――という考えに至りました。
「亭主関白」は昔の話。
奥さんの方が強く、家庭内でも「夫を尻に敷く」というのは、昔にはなかった夫婦のかたちです。
「ひろしの足が臭くて嫌がられる」も、「ひげがジョリジョリしているから子どもにほおずりをすると嫌がられる」のも、「きれいな女性に鼻の下を伸ばしてみさえにつねられたり怒られたりする」のも、野原家の大黒柱、ひろしの特徴であり、アニメ的に「笑うポイント」です。
これらのひろしの特徴(笑うポイント)は、基本的にひろしがかわいそう・もしくは痛い思いをします。
昔であれば「父親の威厳がー」と言われるのかもしれません。
でも、先ほどの前提で考えると、今後も無問題(モウマンタイ)だとされ続けられるだろうと思うわけです。
一部の方々にとっては、家庭内での父親の扱いは、「教育」上とは関係のないことだから。
もちろん、この前提で考えたら、ひろしがみさえを責めたり、みさえがひろしにするように、ひろしがみさえの頬をつねったりするようなことがあれば、それは即「DVだ!」として苦情がくるでしょう。
結局は、そういうことなんだなぁと思うのです。